記事作成日 2015.02.12
最終更新日
概要
M4 Nutのモデリングを行います。
ねじ穴を開ける操作を説明しています。ここでは、下穴を開けた後、ヘリカルスイープを使用して、ネジの3D形状を作成します。
ねじ穴を開ける前までの操作はこちらのページに記載しています。
モデリング対象図形
ヘリカルスイープを使用して、実際に、ねじの形状をモデリングしています。
3D-CADでは、3Dモデラーと異なり、表示に重点を置いていませんので、ねじの形状は、ねじの存在を示す印を入れるだけで、実際にモデリングする場面は少ないです。
Personal版で作成しているため、製品版では読込めないと思います。PTCから配布されています。 (PTC Creo View Express(無償))を使うとモデル形状は閲覧できます。ただ、モデルデータムは確認できないので、使用したデータム平面、軸、点は見ることができません。
参考資料
CADの機能だけ覚えて、モデリングの方法は、自分で考えるという方向もありますが、使用するCAD固有の機能も存在するので、 チュートリアルを探すのも1つの方法です。
CAD I Chapter05基準面の作成(外部リンク)
成蹊大学のCADの講義資料です。
FreeCAD チュートリアル Nut
FreeCADで、ナットを作成する方法です。
モデリングの方針
実際に3D-CADで、モデリングする前に、どうやってモデリングするか考えておきます。
6角柱を作成し、面取りをして、穴を開けます。
穴を開ける前までの操作
下穴を開けます。
穴を開けるために、[穴](Hole)ツールを選択します。
軸と面を指定します。
穴の位置を指定するためには、軸と面を指定する必要があります。Ctrlキーを押しながら、軸と面を指定します。
- Ctrlキーを押しながら選択する必要があります。私は気がつくまで時間がかかりました。
- データム軸を表示させる設定していないと軸が選択できません。
データム軸の表示・非表示の説明はこちら
ダッシュボードの設定をします。
単純な穴を選択し、深さに貫通を選択、穴径に3.24を選択します。
深さオプションについての説明はこちら
ダッシュボードの状態
最終的なダッシュボードの状態を示します。
プレビューで、形状を確認します。
確定前にプレビューで、意図した通りの形状か確認します。
問題無ければ確定します。
下穴が開きました
ネジ山を作成します
モデリングや製図では、作成する必要がありませんが、CGなどのビューが必要な際に作成しなければいけない場面があると思いますので、 モデリングはできるようにしておいたほうがよいと思います。
ヘリカルスイープ
「挿入」→「ヘリカルスイープ」→「カット」を選択します。
ダイアログが表示されます。
メニューマネージャーを「一定」「中心線」「右手」の設定し「実行」を選択します。
左側の「カット:ヘリカルスイープダイアログ」は、各工程を示しています。
メニューマネージャーで設定するごとに右端の「>」の位置が移動します。
スケッチ平面を指定します。
ダイアログが変わります。スケッチ平面を指定します。ここでは「RIGHT平面」選択します。
スケッチ方向を指定します。
ダイアログが変わります。スケッチ方向を指定します。モデル上で矢印がスケッチ方向を示しています。
今回はどちら向きでも問題ありません。「OK」をクリックします。
ビュー方向を指定します。
ダイアログが変わります。ビュー方向を指定します。「デフォルト」をクリックします。
メートル並目ネジの規格を確認します。
ここで、メートル並目ネジの規格[メートルねじの基準寸法 JIS B 0205]を確認します。
M4: ピッチ:0.7, 谷の径:4, 内径:3.242
スイープさせる直線を描きます
中心線を描き、ねじ山をスイープさせる直線は、中心から2離れた位置に描きます。
ナットの厚みは、3.2なので、少し長めの長さの4にしておきます。
片側に0.4はみ出ると中心に配置されます。描き終えたら終了をクリックします。
ネジ山のピッチを入力します
スイープのピッチの入力を求められるので、ネジ山のピッチの0.7を入力します。
削除する断面をスケッチして定義します。
次に、断面をスケッチして定義します。谷の山は、先程描いたスイーププロファイルの端点と一致させます。
ネジの谷の角度は、規格から60°拘束の方法で悩んだので、30°づつ指定してます。
1辺の長さが0.7ナノは、ピッチの幅からです。
0.7以上、中心線と一致または越えなければ問題無いと思いますが、
重なると計算エラーが出るかもしれないので、0.7が安全です。
描き終えたらスケッチを確定します。
削除方向を指定します。
削除方向を指定します。矢印が削除側つまり内側であることを確認してOKを押します。
「OK」を押します。
これで「カット:ヘリカルスイープ」ダイアログの項目を全て指定し終えたので「OK」を押します。
ネジが作成できました。
ネジが作成できました。内側の山はとがっておらず、台形になっています。市販のナットはとがっていると思います。
断面表示の仕方がわからなかったので、断面の形状はFreeCAD チュートリアル Nutを参考にしてください。
断面表示の仕方がわからなかったので、断面の形状はFreeCAD チュートリアル Nutを参考にしてください。
面取りを作成します
回転ツールを選択します。
面取りするために、回転ツールを選択します。
※面取り(Chamfer)でもできると思います。
※面取り(Chamfer)でもできると思います。
参照を追加します。
配置タブから、定義を選択し、Right平面、回転方向を上面にして、スケッチします。
「スケッチ」→「参照」から、参照を追加します。
矢印の位置に参照を追加します。
参照を追加するとスナップできるようになります。もっと詳しい参照の追加の仕方はこちら
削除する形状をスケッチします
中心軸に接する1辺が60°の直角3角形を描きます。ナットのエッジと中心から2で交差しています。
ダッシュボードの材料除去をクリックします。
回転軸を指定します。
プレビューで、形状を確認します。
確定前にプレビューで、意図した通りの形状か確認します。
問題無ければ確定します。
面取りが完成しました。
モデリングが完成しました