Nut:FreeCAD動画チュートリアルの紹介[FreeCAD:チュートリアル]

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このチュートリアルを始める前に

FreeCAD Version 0.14, Revision 3700でモデリングしました。

参考にした動画チュートリアル

この動画チュートリアル(FreeCAD Tutorial08-Innengewinde)は、 YouTube上で公開されているものです。作成者  BPLRFE さんに感謝です 。このチュートリアルには、音声がありますが、日本語ではありません。

このチュートリアルでは、らせんツールを利用してナットを作成しています。

YouTubeプレーヤーの設定

歯車マークをクリックして、画質を720p以上にして再生しましょう。そうしないと数値がぼやけて読み取れません。 使用する図面は、キャプチャし、印刷して、手元に置いて、動画を見るようにしましょう。

概要

ナット Nut
ネジのモデリングは、省略表記があるため、製図やモデリングには、特に必要がありませんが、なぜか描いてみたくなります。 このチュートリアルでは、動画チュートリアルを参考にナットのモデリングを一般化してみたいと思います。 ここでは、M4の第1種ナットをモデリングして見ます。 ※高価格帯の高機能CADでも、ネジは、簡略表示にしておき、表示スピードの低下を防ぎます。自分でモデリングすると簡略表示機能は無いので動作が遅くなることを理解しておきましょう。

規格 JIS B 1181

宇都宮螺子株式会社のホームページの資料を参考にさせてもらっています。

6角形をスケッチ(Sketch)する

Part Designから、スケチャーを立ち上げて、xy平面に、6角形を描きます。

6角形を描く
ポリラインツールで6角形を描きます。 横の2つの線を垂直に、上下を垂直線上に自動拘束させると拘束の手間が減ります。

辺と辺の角度120°で寸法拘束をかけます。

120°に角度を拘束
辺と辺の角度120°で寸法拘束をかけます。 一番平らな角度でつながっているところに指定するのがポイントです。

全ての線に等値拘束をかけます。

全ての辺に等値拘束をかけます。
Ctrlキーを押しながら、辺を1つ1つマウスでクリックしていきます。矩形選択をすると点も選択されてしまうので使えません。

接円を描いて、描いた円を補助線モードにします。

全ての辺に等値拘束をかけます。
6角形の中心と原点の中心を一致させたいので、接円を描いて中心を出します。 6角形の任意の3点を指定して円を描き、描いた円を補助線モードに変更します。 円の中心は、原点と一致拘束をかけます。

水平関係の辺と辺の距離を拘束します。

規格のsにあたる寸法を指定します。
水平関係の辺と辺の距離を拘束します。ナットの規格ではsにあたる値です。 ここでは、M4に合わせますので7に指定します。点を指定して、寸法を入力します。 スケッチャーを終了して、プロファイルを確定します。

外形を整えていきます

押し出して立体にします

押し出し
押し出し長さは、ナットの規格ではmにあたる値です。ここでは、M4に合わせますので3.2に指定します。

穴を開けます

プロファイルを描きます。

穴のプロファイルを描く
穴の径は、メートルねじの基準寸法 JIS B 0205を使用します。
参考ページ(ねじNo1.comへのリンクです) ここでは、M4ですので、4(めねじの谷)と3.242(めねじの山)です。そのため、穴は小さいほうの3.242になります。寸法拘束への入力は 3.242/2になります。
立体の6角形の面を選択し、原点を中心に円を描きます。寸法拘束へ3.242/2を入力します。

ポケットで穴を開けます。

ポケットで穴を開けます ポケットの設定
タイプで、貫通を選択して、ポケットで穴を開けます。

面取り(Chamfer)をします。

穴の面取り(Chamfer)のプロファイルを作成する

面取りのプロファイル
FreeCAD V0.14の面取り(Chamfer)ツールは、45°距離指定の面取りしかできないのでこの場面では使えません。 そのため、回転削除で面取りをしたいですが、溝は、エラーで使用できないので、回転(Revolve)で立体を作成し、後で、ブーリアン演算を行います。 面取り(Chamfer)の端は、めねじの谷の位置になるので、今回のM4では、 4になります。スケッチャーを起動し、xz平面を選択します。

回転させて立体を作成します。

除去する形状 表示の切り替え
他の立体が邪魔になって見えないときは、モデルツリーの該当フューチャーで右クリックして、「表示切り替え」で表示したり、消したりできます。

ブーリアン演算で差をとります。

モデルツリーで選択します。 面取り完成
Part Designの標準ツールバーには、用意されていないので、自分でツールバーに追加するか、Partワークベンチに移動する必要があります。 削除される側、削除する側の順に選択する必要があります。モデルツリーで選択すると楽です。Undoで戻したときは、表示の設定がもとに戻りませんので、 モデルツリーの該当フューチャーで右クリックして、「表示切り替え」で表示します。反対側も同様に処理します。

穴の面取り(Chamfer)のプロファイルを作成する(反対側)

穴の面取り(Chamfer)反対側
スケッチャーを起動し、xz平面を選択し、プロファイルを作成します。あとは、先程と同様に、回転、ブーリアン演算の差をとります。説明は省略します。

エッジの面取り(Chamfer)のプロファイルを作成する

エッジ面取りのプロファイルを作成
スケッチャーを起動し、xz平面を選択し、プロファイルを作成します。

回転させて立体を作成します。

回転
六角柱のこの形の面取りは、意外とよく出会うのでパターンを覚えておきましょう。

ブーリアン演算で差をとります。

エッジの面取り完成
これも、選択は、モデルツリーで行うと楽です。削除される側、削除する側の順に選択する必要があります。 ネジを作成しない、簡略表記ならこれで完成です。ですので、このモデルは、別名で保存しておきましょう。

めねじを作成する

螺旋ツールを選択します

高度なプリミティブ ドロップダウンリストで螺旋ツールを選択する。
Partワークベンチに移動し、「パラメトリックな幾何プリミティブを作成」を選択し、コンボビューのドロップダウンリストから螺旋ツールを選択します。
螺旋のパラメータ
今回は、M4のナットをモデリングしていますので、 半径2、ピッチ0.7の螺旋を描きます。クルクル。 渦の回数x渦の線間で、螺旋の長さです。長い分には困らないので長めにしておきます。
螺旋
螺旋が描けました。

ねじのプロファイルを描きます

ねじのプロファイル
Part Designワークベンチに戻り、スケッチャーを起動し、xz平面を選択し、プロファイルを作成します。

螺旋を描く

スイープのパラメータ スイープのソリッド
ソリッド作成とフレネにチェックを入れます。フレネにチェックを入れないとねじれます。スイープの枠にプロファイルを指定して、矢印を操作して、螺旋だけが選択されている状態にして、OKを押します。

ブーリアン演算で差をとります。

ブーリアン演算結果 断面
これも、選択は、モデルツリーで行うと楽です。削除される側、削除する側の順に選択する必要があります。 ブーリアン演算の結果とその断面を確認すると、螺旋のスイープがソリッドになっていないか、ブーリアン演算に失敗している気がします。

修正します。

螺旋パラメーターの変更

螺旋のパラメーターの変更 断面図:ねじが切れました
動画チュートリアルを再度確認し、問題を探します。すると、螺旋のパラメータのAngleを90°にする必要があるようです。 音声で説明が入っていますが、残念ながら私が理解できる言語では無いので理由は聞き取れません。螺旋の開始位置の問題だと思います。 モデルツリーの螺旋の項目を選択して、パラメーターを表示します。パラメータを変えて、しばらく待つと、ちゃんとねじが切れています。断面図の画像も載せておきます。

螺旋パラメーターの変更

ネジが上まで切れていません。 パラメーターHightを変更します。 ネジが上まで切れました
先程、Angleの値を変更したため、螺旋の長さが足りずに、ネジが上まで切れていません。 次は、パラメーターのHightの値を大きくします。ここでは、5を入力していいますが、立体に対して、十分大きければ問題ありません。 パラメータを変えて、しばらく待つと、ちゃんと上までねじが切れていることが確認できます。

完成

完成:断面図 完成
お疲れ様でした。完成です。

ここで使用するFreeCADについて

Version 0.14, Revision 3700, Date 2014/07/13

新しくインストールする際は、最新版をインストールしましょう。

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